スリランカの医療を受けてみる-Vol.2【Dr.Saman〜Manasa Ayurveda Hospital_01】

スリランカの医療を受けてみたい!

2人目のドクターとして
7月5日、Dr.Samanを訪ねた。

行き先は、
コロンボから20マイルほど離れたNeelammaharaという地にある
Manasa Ayurveda Hospital。

先日訪ね、以来通っている【Dr.Nalin(ドクター・ナリン)】の【NATURAL MEDI CLINIC】は
患者がみずから歩いて訪れる通院型の「クリニック」であるのに対し、

こちら【Dr.Saman(ドクター・サマン)】の【Manasa Ayurveda Hospital】は、
患者が治療に専念をするために入院をする滞在型の「病院」で、
300年の歴史のある、古い病院だった。

 

今回も、紹介してくれた家族が事前に電話をいれてくれて、
ドクター・サマンとのアポイントメントが、午後2:30に取れていた。

わたしたちが来ることは知られていたはずだったけれど、
なぜかその病院の入り口には「錠」があり
中から鍵を開けてもらわないと、入れない(出られない)ようになっていた。

ジグザグに建てられた建物は、
スリランカらしく輝く太陽と植物に囲まれていて
足元には緑の芝が茂っていた。

そんな柔らかな雰囲気とは裏腹に
その場所には、なんとも表現し難い「 strange(奇妙)」な雰囲気が漂っていた。

入り口から庭を回り込むように歩いて、靴を脱いで入る部屋に通され、
がっしりとした体格の色黒の男性と、サリーをまとった女性が座る机の前に、案内された。

アーユルヴェーダ、ホメオパシー、鍼、スリランカ伝統医学、
4つの医学のドクターであるという彼、Dr.Ruwanは
スパイスの入った黒いお茶と、スリランカ固有のハーブを用いたヤシ糖菓子を勧めながら、
わたしたちが「なぜここに来たのか?」を聞いた。

医学的な英語が難しく、
話の半分も理解できなかったのだけれど、

わたしは、自分がホメオパス(ホメオパシーのドクター)であることと
飛行機や電車、橋の上といった、高いところと狭いところが苦手で、
パニックが起こるほどに恐怖があることを伝え、

対して彼は、この病院がどんな伝統を持ち、
どんな病気を、どんな風に治療しているのかについて、伝えてくれた。

その中で、彼は頻繁に「サイコティック(psychotic)」という英単語を用いた。

わたしはこの英単語を
ホメオパシー用語の「サイコーシス(Syco、淋病マヤズム)」と混同してしまっていて
彼の話をSyco的(淋病マヤズム的)な症状と照らし合わせていたために
頭の中が「?」でいっぱいだった。

30分ほど、ヒアリングと説明を受けただろうか。

いよいよ「ドクター・サマンが部屋に来る」と彼が言った。

なるほど、今まで話をしてくれたドクター・ルワンは、
どうやらドクター・サマンの助手らしき立場で、
初めて訪れた人をドクター・サマンへ渡す前に事前質問をする係であったことを、
このときようやく理解した。

ドクター・サマンとの会話が始まった。

ドクター・ルワンから聞いた話を再び一通りわたしと行なった後、
「何が聞きたいか?」と聞いた。

わたしは、
「アーユルヴェーダとスリランカの医療について聞きたいが、
アーユルヴェーダについては日本語の本を2冊と、
ドクター・ナリンが貸してくれた英語の本を1冊読んだだけで、
重要なことを理解できていないと思う。

そんな状態でとても申し訳ないけれど、
あなたが、どのように、人間の健康状態をチェックし、
そこからどのような治療方針を立て、
実際にどんな治療をしているのかを、教えて欲しい。」
というようなことを伝えた。

それを聞いたドクターは
「ナリンは僕の”いとこ”だよ!ちょうど今朝も彼と会っていたところだ」と笑い、

脈の状態、顔の色、肌、舌、目、髪、爪の状態、
体で感じていること、心で感じていること、
今まで経験して来たこと、家族のこと、など、
多くの事柄から患者を診ていること、

またアーユルヴェーダとは、
ここスリランカの地にある自然(雨、太陽、気温などの気候)で育つ
ハーブや種、水、オイルなどによってこそ、可能な医療であり、
それらは短い時間で行えるものでも、また、学べる(伝えられる)ものでもなく、
長い時間と、頻繁さ(定期的)が必要であることを話してくれた。

その話を聞いてわたしは
この病院の家系であるドクター・ナリンが
「アーユルヴェーダにはとても多くのハーブやプロセスを必要とするために、
もっと簡単に、もっと効果的にできることはないかと、ホメオパシーと鍼を学んだ」
と言っていた意味を、改めて実感することになった。

 

その後、ドクター・サマンは、
ここで実際に行っている治療として、
携帯の中に収めてある動画を見せてくれた。

その動画には、
「レモンカッティング」と呼ばれる方法で、
ひと組の男性と女性が、僧侶からの治療を受ける様子が写っていた。

その後、ドクターは
ここに入院しているクライアントのうち
2人の男性と、2人の女性を、ひとりずつ部屋に呼び
今まで抱えてきた症状と、現在の状態(治療の経過)を見せた。

最初の1人目の男性の右足には、太いチェーンが結んであり、
彼は右足のそのチェーンを自分の右手で持ちながら、部屋の扉の前に立っていた。

彼はとてもアグレッシブで
病院を出ようとしたり、高いところから飛び降りたりする可能性があり、
それを防ぐためにチェーンをつけているが、
ここに来た1ヶ月前は両足についていたチェーンが今は右足だけになり、
とても改善している、ということを伝えてくれた。

また1人の女性は、日本語が話せるということで部屋に入って来たが、
会話ができるというのとは異なり
歌を歌ったり、自分の好きなことを好きな時に話したりしていた。

ひとり、ひとり、と具体的に、患者と治療法を示してもらう中で、
わたしはやっとこの病院が、
ホメオパシーでいう「サイコーシス(Syco.淋病マヤズム)ではなく
「サイコティック(精神疾患)」を専門としていることを理解した。

*サイコティック(psychotic)=精神病質

ようやく繋がり始めたわたしに、
ドクターは、部屋の後ろに飾ってある、歴代の病院のドクターたちの写真と
先ほどのレモンカッティングの動画を示し、
「Mental health in Buddhism(仏教によるメンタルヘルス)」の存在を伝えた。

左側には、彼のお父さん、
右側には、4人の僧侶たちの写真があった。

「病気の50%は、肉体の病気
50%は精神の病気
そのうち、25%は霊的な病気である」とドクターは言った。

そのすべての病気を診つつも、
スリランカで唯一の精神疾患専門病院として
アーユルヴェーダ、ホメオパシー、鍼、スリランカ伝統医学を融合し、
治療にあたっているということだった。

 

病院について理解ができたところで
ふたたび「聞きたいことはありますか?」と問われたので、
わたしの状態を診て欲しいと言ったら、
左腕〜右腕の順で、脈診をしてくれた。

脈診は3本の指で行われ、
もっとも手のひらに近い指は「脳(頭部)」、
真ん中の指は「肝臓と消化器」の状態を診ているそうだ。
(もっとも肘に近い指については、聞きそびれてしまった。)

そしてわたしの脈診からは、肉体的な大きな問題は感じられないが、
非常に「センシティブ(繊細)」であることと
強い「レスポンシビリティ(責任感)」が感じられるため、
呼吸のトレーニングと、瞑想が必要であることを伝えてくれた。

呼吸のトレーニングは決して簡単ではないけれど、
心身をとても良い状態にしてくれるものなので、
根気強く行うといい、と付け加えた。

最後に、ここでのトリートメント(治療)は、すべて午前中に行うので、
あさって金曜日の午前中に、そのトリートメントを見にくるといいと言ってくれた。

7日金曜日の9:30に再び来ます、といって、この日は病院を後にした。

 

美在塾

美在塾とは、「本気で美しく在りたい女性のための」、人間であり、女性であり、ひとつの生き物である「多層な美しさ」について、ともに学び、実践していく場所です。

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