スリランカの医療を受けてみるVol.5【Manasa Ayurveda Hospital_04】
ラスト3つ目のトリートメントは、
日本でもよく知られたシロダーラ。
ここManasa Ayurveda Hospitalでのシロダーラは、
木で作られたボウルに、ハーブ液の入ったオイルを入れ
数十秒間、額~眉間の部分に滴下し、
その後、人の手で優しく20分マッサージをするというもの。
この額~眉間にかけての部分は
アーユルヴェーダではとても重要視されている部分であること、
また、先ほど見せてもらったナッシャカルマをはじめとするパンチャカルマ(浄化療法)は
北インドから伝わった療法であるのに対し、
このシロダーラは、
アーユルヴェーダ発祥の地とされる南インド・ケーララから
伝わった療法であること、を教わった。
この治療には、
今まで院内では一度も会わなかった女性が施術者としてやってきた。
治療を受けるのは女性だったので
女性の患者には、女性の施術者が担当するのですか?と尋ねると
「Yes」とのことで、
ここでは女性は女性が、男性は男性が、施術を担当するのだそう。
この女性は、この日治療を受ける、
夫や息子を亡くし、うつと、耳が聞こえなくなった女性に対して、
施術をする前も、している間もずっと
とても親しみと優しさに満ちた笑顔を向け、
また、患者の女性が横になった際に、
気にしたスカートの裾をきちんと直してあげる、など
細かなケアをしていた。
その様子に、なんて言ったらいいのだろう、
とても「人間」を感じた。
思わず、ここに住んでいるのですか?と尋ねたが、
「彼女はここには住んでいないが、
すぐ近くに住んでいて、ここに通ってきている」と伝えられた。
また、このシロダーラを見せてもらう前に、
この日には施術の予定はないものの
大切なトリートメントの一つである、スチームバスのベッドを見せてもらった。
=ドクター・ルワンはその構造を説明しながら
「顔は外に出せるように作られているんだ。
これで、外の人ともコミュニケーションが取れるしね」と笑っていた。
3つの治療を見せてもらいながら
わたしはとても大切なことに気づき始めていた。
それは、ここでは患者は孤立していない、ということ。
同じ治療を受ける患者は、一堂に集まった。
この日、紹介してもらったすべての治療は、屋外で行われていた。
そこにはゆらゆら揺れる木漏れ日や、鳥の声、風の音や環境音、
他の患者の歌う声、ドクターやスタッフたちの指示の声、
みんな自然のままにそこにあった。
その環境に、
この日、もっとも癒しを受け取っていたのは
わたしだったかもしれない。
なぜならわたし自身が、ずっと、
「精神疾患」というものを、特別視、してきたから。
こんにちは。
マナサアーユルヴェーダホスピタルに滞在したことがある者です。ブログ楽しく拝見させて頂きました。
ホスピタルやドクター、スタッフを素敵に的確に紹介して頂きましてありがとうございます。
ほんと、あのホスピタルに滞在するだけで癒やされて暖かい気持ちになりますよね。
これからもフォローさせて頂こうと思うので
よろしくお願いします。