自然へ帰る旅 ー(4)水はどこから?ー (菅原宏)

 

 

 

自然へ帰る旅 ー(4)水はどこから?ー
 

湧き水の出る場所が森の中にあるとのことで、
散策がてら連れて行ってもらいました。

数百年前に記された文献によると、
1590年頃この森の中には小さな村があり、
わずかな田畑を耕し生計を立てていました。

しかしその厳しい冬の寒さにより、徐々に村人はこの地を放棄し、
いつの日にか誰も住まない場所になり現在に至るそうです。

長い年月の中でかつての住居は風化し、
その跡さえ全くありませんが、美しい湧き水は今も変わらず流れ出ていました。
 

 

 

いくつかある湧き水のひとつは、
緩い斜面に倒れた大きな木の下から出ていました。

 

 

手ですくい飲んでみます。

その味はクリアな朝の空気のよう。

新鮮ってこういうことなんだよな。

手を加えていない自然な水の味ってこうなんだよな。

水場のそばに作られた小さな「ほこら」からも、
その命の源へのありがたさを感じます。

 

 

水って、人間として、または多くの生物にとって、必要不可欠なものですよね。

それは自然の循環の中で浄化され、大きなサイクルを巡り巡っています。

なので何かしらの理由で浄化が出来ず、汚染されたり、
地中で淀み腐敗したりすると、その地の木々は病に冒されたり、
朽ちてしまいます。

またそうした森に住む生き物にも悪影響が出ます。

 

 


 

ということを、去年、八ヶ岳やつはドームハウスにて行われた、
杜の園芸の矢野智徳さんによる「大地の再生講座」
に参加し学んだことを思い出しました。

 

 

 

 

 

空から降る雨により、この生い茂る緑は生き続ける。

その雨水は地中に浸透し奥底を流れる。

そして再び地上にその姿をあらわす頃には、
浄化され新鮮な生きた水となる。

水のある場所に人は住み、食べ物を作る。
地に根を張り栄養を吸収した木々。

人はそこになる果実を食し、
またその木々で火を起こしたり、家を作る。

野生の動物もまた、その湧き出た水を飲む。

人はその肉を食し、時にはその皮を着る。
こうした命の循環。

水を共通項としたそれぞれの命と役割。

緑の森の中に立ち、湧き出た水を飲みながら、
その壮大かつシンプルな循環を思いました。
 

 

生命の根源である「水」

 

とても大切なもの。

これからも大事にしていかなくては。

 

 

 

美在塾

美在塾とは、「本気で美しく在りたい女性のための」、人間であり、女性であり、ひとつの生き物である「多層な美しさ」について、ともに学び、実践していく場所です。

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